『百鬼夜行 陽』「雨女」「蛇帯」「目競」読了感想

京極夏彦の『百鬼夜行 陽』より、「雨女」「蛇帯」「目競」の三篇を読了しました。

 

「雨女

邪魅の雫から。

登場人物

赤木 大輔

咲江

大庭 里美

 

感想

邪魅の雫本編でも、赤木は困っている人を見ると黙っていられないみたいな書き方をされていたけど、実際は迷惑千万な男。邪魅の雫自体がちとインパクト薄めなので、なぜ赤木が殺害されたのかすでに思い出せない。いや、あまり明確な理由がないのが邪魅の雫の所以だったかと思うと、なんかやるせない男。

 

「蛇帯

鵺の碑から、らしい。

登場人物

桜田 登和子

奈美木 セツ

倫子

感想

鵺の碑のキャラ紹介。日光、榎木津ホテルということで、今昔続百鬼も踏まえて、舞台と役者がそろってきた感じある。セツも出るのであれば、鵺の碑はなんか明るい場面多そう。小説だから仕方ないが、殺人または殺人幇助経験ある人間が多い。とくにセツの周囲に。名探偵コナンばりの運の持ち主。この話と墓の火がどのようにリンクしていくのか、全然想像できない。

 

「目競

姑獲鳥の夏の前日譚。

登場人物

榎木津 礼二郎

榎木津 総一郎

榎木津 幹麿

•中禅寺 秋彦

関口 巽

 

感想

よかった。暗い話が多い中でほのぼの。一人称榎木津という失われた表現。畳で寝るのが好きな理由とかは後付け感あるけど、人間感ある。榎木津=探偵=神になってからは、ただの奇人ぽいけど、邪魅の雫で犯人に嫌いというあたり、本当は人間らしさが残っているんだろうか。目競だけはどんな妖怪か調べたけど、いっぱい目がある妖怪がいて、睨めっこしたら人間が勝ったみたいな内容っぽい。榎津は憑き物が憑きっぱなしではなく、自分で打ち勝ったという意味合いなんやろなあと勝手に納得。初対面の中禅寺の一言で腑に落ちたのもあるか。心なしか関口も明るいが、川赤子については憑き物落とししてあげてほしい。

 

 

まとめ

百鬼夜行 陽で暗い話が続いていた中、目競で読者が報われる。次は今昔百鬼拾遺。塗仏のときもそうだったけど、敦子の自分語りちと苦手だから身構えちゃう。それでもシリーズ読破までゴールが見えてきた!