私も10年以上企業戦士をやっているので、キャリアを積んでいく中で、マネージャーへの転身を意識せずにはいられません。仮に管理職となっても、いきなり管理オンリーとはならず、実際にはプレイングマネージャーからスタートすることが想定されます。
管理業務を行いつつ、プレイヤーとしての業務も継続する——この働き方にはかなりチャレンジングな気がします。
管理職になることで得るものと失うもの
取らぬ狸の皮算用かもしれませんが、管理職への昇進を考えると、ナーバスな気持ちになることがあります。不安になっている時点では気付きにくいですが、ちょっと落ち着くと「損失回避バイアス」(人は得る喜びよりも、失う痛みを強く感じる傾向がある)が働いていることに気づきます。正しく向き合うために、まずは管理職になることで「得るもの」と「失うもの」を整理してみます。
得るもの
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給与・待遇の向上(役職手当、賞与増額、退職金の条件向上など)
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意思決定権・裁量権の拡大(物事を自分の判断で進められる機会が増える)
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スキル・市場価値の向上(マネジメントスキルの獲得、転職市場での評価向上)
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キャリアの広がり(さらなる昇進の可能性、他社でのマネージャーポジションの選択肢)
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人脈の拡大(経営層や他部署の管理職との関わりが増える)
失うもの
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プレイヤーとしての楽しさ(実務から離れ、マネジメントが中心になる)
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時間の自由度(会議や調整業務が増え、スケジュールの自由度が減る)
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ストレスの増加(部下の管理、上司からのプレッシャー、業績責任の増大)
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対等な関係の変化(部下とフランクに話しづらくなる、経営層と密接な関係が求められる)
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専門スキルの維持が難しくなる(実務から離れるため、技術や知識の陳腐化リスクがある)
損失回避バイアスが働いていると、「失うもの」にばかり意識が向きがちです。しかし、得られるものも多いのがわかります。仕事をしていく上で、という但し書きな気もしますね。プライベートでの得られるものは給与・待遇の向上ぐらいなのかな。時間の自由度の低下とストレスの増加に対しけっこうナーバスになってるように自分で思います。得られるものでどのように自己実現できるか、に意識を持っていくことが大事なんだろな。
プレイングマネージャーの大変さ
1. 仕事量が増える
プレイヤーとしての業務を継続しながら、チーム全体の管理やマネジメント業務もこなさなければならず、単純に負担が倍増しそう。実際今の上司の仕事量やばい。
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自分の業務に加え、部下の業務のフォローや調整が必要
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会議や報告業務が増え、実務に充てる時間が減る
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突発的なトラブルへの対応が求められる
2. ストレスの増加
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上司からの期待と部下の要望の板挟みになる
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チームの成果が自分の評価につながるため、プレッシャーが増す
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「全部自分がやらなければ」という思考になりがちで、キャパオーバーになりやすい
かなり胆力が求められる気がします。管理職はモラハラ気質と聞いたことがあるが、そうでないとやってられないんだろな。管理職は仕事のミッションが自己と一体化するみたいな調査結果も見たことある気がする。
大変な時の対処法
1. 「全部自分でやる」思考を手放す
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「この仕事は自分がやらなければならないのか?」と問い直す
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任せられる業務は部下に振り、成長を促す
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「3回自分でやったら、4回目は部下に任せる」といったルールを作る
2. 時間管理を徹底する
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「午前はプレイヤー業務、午後はマネジメント業務」と分ける
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会議の時間を短縮し、実務時間を確保する
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突発対応が多い場合、「対応時間帯を決める」ことで仕事を中断されるのを防ぐ
3. 「7割でOK」のマインドを持つ
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完璧主義を捨て、70〜80%の完成度で良しとする
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部下の仕事も「完璧でなくてもOK」と考え、育成の機会とする
4. 周囲を頼る
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他のプレイングマネージャーと悩みを共有する
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上司に業務の優先順位を相談する
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部下の適性を見極め、仕事を適切に割り振る
列記するのはできるけど、実際人に頼るってある種の馴れ馴れしさも必要でちょっと難しい。会社の研修で、人の特性は変えられないけどスキルでカバーできるときいたので、慣れればなんとかなるのかしら。
まとめ:プレイングマネージャーは大変だが、成長の機会になる
プレイングマネージャーは、仕事量やプレッシャーが増える分、キャリアの成長機会として大きなメリットがあります。「全部自分でやらなければ」と考えすぎず、適切に業務を分配しながら進めていくことが重要になりそう。大変な時こそ、効率化を意識し、周囲を頼ることで、負担を軽減(←これ大事)しながら進めるのがになりそう。