『百鬼夜行 陽』「鬼童」「青鷺火」「墓の火」「青女房」読了感想

京極夏彦の『百鬼夜行 陽』より、「鬼童」「青鷺火」「墓の火」「青女房」の四篇を読了しました。

 

鬼童

邪魅の雫から。

登場人物

江藤 徹也

江東 登美枝

熊田

 

感想

江藤は邪魅の雫のときもやばいやつ感あったから、まあこんなもんか、という感じ。頭に鉛がつまっているという表現は、わかる人にはわかるのだろうか。殺害経験がある人は日常に紛れ込んでるかも、ということのほうが恐ろしい。

 

青鷺火

狂骨の夢から。

登場人物

宇多川 崇

宗吉

宇多川 さと

感想

宇多川の話だと気づくのが最後の方になってしまった。本編ではけっこう大家扱いされていたけど、本人は継続してきただけ、という認識で、ちょっと新鮮。自己評価とタコ評価は必ずしも一致しないという自分の境遇に当てはめてしまった。この話では誰も死なないけど、本編を思い出すと悲しい。宇多川はまともな人と思ってたけど、憑き物があったんだなあ。

 

墓の火

鵺の碑から、らしい。読んでないから全員誰だこいつら状態。

登場人物

寒川 秀巳

桐山 寛作

笹村 市雄

寒川 英輔

 

感想

これは前日譚として顔合わせ、情報だしの意味合いが強そう。塗仏みたく文庫6冊にわたって繰り広げられるよりは小出しの方がいいかも。仏教、神道について深く考えたことなかったけど、京極作品を読むことどでインプットされていく。大陸製のものと思いがちだったけど、土着のものと融合してるのね。多々良の木乃伊のときも思ったけど。

 

「青女房

魍魎の匣から。

登場人物

寺田 兵衛

寺田 サト

寺田 竣公

徳田

 

感想

百鬼夜行 陰の久保竣公をやるなら、その父の深掘りもさもありなんという感じ。箱に取り憑かれてしまったことは本編でも記載あったかと思うので、目新しいなにかはなかったかな。

 

まとめ

「墓の火」は鵺の碑の前日譚っぽいから未知数だけど、他の話は救いがないよなあ。救いがないというのが一貫してて、憑き物落としがなされない故という意味合いなのかな。